2012.05.16 Wednesday
演芸めいげん 宗助はん、宗助は〜ん
JUGEMテーマ:エンターテイメント
フロンティアエイジ5月号 第3面より
演芸めいげん
宗助はん、宗助は〜ん
春の盛りに真冬の上方落語『二番煎(せん)じ』の紹介です。年の暮れ、町内の連中が集まり「火の用心」の夜回りをするお噺だ。
何しろ寒い。番小屋にご法度の酒や鍋を持ち込み、一回りした後、飲み食いしながら盛り上がっているとお役人がやって来る。
「騒いでいたのは誰じゃ」。詰問されて誰かが「宗助はん」の名前を出す。この宗助はん、日ごろから何かあると「宗助はん、宗助は〜ん」と呼ばれ、身に覚えのないことの処理までさせられる好人物。この夜も役人の追及の度に「それは宗助はん、宗助は〜ん」と言われ、濡れ衣なのに弁明を続ける羽目になる。
この宗助はん状態に近いのが日本国憲法だ。新聞記事によると、橋下徹大阪市長の「世界では自らの命を落としても難題に立ち向かわねばならない事態が多数ある。しかし、日本では震災直後にあれだけ『頑張ろう東北』『絆』などと叫ばれていたのに、がれき処理になったら一斉に拒絶。全ては憲法9条が原因だと思っています」などのツイッター発言をきっかけに、ネット上で「髪の毛が薄いのも」「ノルマ達成が危ういのも」全てが「宗助は〜ん」、いや違った「憲法9条が原因」というつぶやきが流行しているというのだ。
65年前の5月3日、憲法が施行された。翌日の朝日新聞は「擧國壽ぐ民主憲法」の見出しで、宮城前の式典で喜ぶ人々の姿を伝えている。敗戦から2年弱。大戦による戦死・戦病死者はあまたいて、経済はどん底だった。戦争にはこりごりしていた。
故井上ひさしさんは「信じられないでしょうが昭和二〇(一九四五)年の日本人男性の平均寿命は、たしか二三・九歳でした。女性の平均寿命も、三七・五歳だったはず」と書いている。
そんな悲惨な体験の果てに生まれたのが、戦争の放棄を記した第9条を持つ「平和憲法」だ。そんなことを忘れて、何でも9条のせいにするとは・・・。宗助はんは我慢強いが、9条は大声で苦情を呈したいに違いない。(演芸ライター)
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フロンティアイエイジ5月号 第3面より
スポ女沸騰中 スポーツ吹き矢
的射ればストレス発散 正しい呼吸が身に付き健康
矢を筒に入れて吹き、的に当てて得点を競う「スポーツ吹き矢」の人気が上昇中。「だれでも、いつでも、どこでも、手軽にゲーム感覚で楽しめる」というキャッチフレーズにひかれるのだろう。
大阪市中央区にある日本スポーツ吹矢協会関西支部には、朝から愛好者が通ってくる。それほど広い部屋ではないが、円形の的が二つあり、5メートル、8メートル、10メートルにシューティングラインが印されている。筒の長さは120センチで矢の長さが20センチ。5〜10メートル先の直径24センチの的に突き刺す。得点は中心から7点、5点、3点ときて外側枠(黒色)が1点。3分以内に5本吹いて1ラウンド、2〜6ラウンドの合計点で競う。息を使って矢を放つスポーツだから、際立った運動能力や腕力は必要としない。
思い切り空気を吸い込み、腹筋を使って勢いよく吹くスポーツ。その呼吸法は肩コリの改善、高血圧の予防、脳の老化予防、ダイエット、腰痛の予防などに効果があるとされる。そのうえ集中力が高まり、当った時の爽快感が得られてストレス発散にも役立つ。
支部長の高木千佳子さん(50)は大阪府協会の会長も兼ねていて大忙し。「好きな時間に来て、やればいいので好評なんです」と、指導にも時間をさく。「スポーツだから基本が大切」と、(1)礼をする(2)構える(3)筒を上げ(4)息を吐く(5)息を吸う(的を見ながら鼻から吸う)(6)吹く(7)息を整える(8)礼をするという一連の基本動作を正しく行うよう教えている。
やり始めて3カ月という斎藤八重子さん(71)が、10メートルラインから見事ど真ん中に命中させた。「こんなことがあるから楽しいんです。病気持ちなので始めたのですが、親切に教えてもらえるし、ここに来るのがとても楽しみ」
安部陽子さん(67)は「毎週来ています。腹式呼吸は気管の弱い人にいいし、ダイエットにもいいみたい。信号待ちの間に呼吸の練習をしたりもするんですよ」という。
7年目の藤木清子さん(63)は「姿勢がよくなって若くなっていく感じ。呼吸で血のめぐりがよくなって健康です。ゲーム性があって楽しく、競技会も励みになります」。どんどん上達して5段になり、公認指導者資格も得た。「競技の魅力に加えて、月1回の食事会が楽しみ」ともいうメンバーの人気者だ。1回90分楽しんで500円。平日だけで日曜は休みのせいか高齢の人の数が多い。
4月21日に催した「第5回スポーツ吹矢大阪府大会」(大阪府立体育会館)には、滋賀県以西の各府県から男女ほぼ半々の計310人が出場。「九州や四国などには募集をかけていないのに」と事務局をあわてさせた。京阪神観光をかねての参加もあるにせよ、予想以上の盛上がりだった。(英)
◆問い合わせは関西支部TEL06・6942・3667。
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フロンティアエイジ5月号 第9面より
澤正流演出で「白野弁十郎」
文楽劇場で劇団若獅子
新国劇の流れをくむ劇団若獅子が結成25周年記念公演として、シラノ・ド・ベルジュラックを翻案した1926年初演の「白野弁十郎」を、当時の澤田正二郎演出に基づいて26日12時半、16時半の2回、国立文楽劇場(地下鉄日本橋)で上演する。
舞台を原作の17世紀フランスから幕末〜明治の日本に移し、澤田から島田正吾、緒形拳と受け継がれてきた演目に笠原章=写真=が挑む。他に河原崎國太郎、横内正らも出演。A席6000円、B席5000円(TEL06・4708・0501=サン放送アカデミー)。
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フロンティアエイジ5月号 第2面より
日帰り気まま旅 同志社かいわい(京都市)
脚光浴びる八重の生涯
生地福島の支援へ大学も動く
来年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公は新島八重。幕末の戊辰戦争で男性と共に福島・会津若松の鶴ヶ城に立てこもり、明治維新後は京都で同志社英学校(現同志社大学)を開いたばかりの新島襄と結婚、アメリカ風のモダンな夫婦像で世間を仰天させた人物だ。
1845(弘化2)年に生まれ、1932(昭和7)年に86歳で亡くなるまで動乱期をりりしく生き抜いた八重の姿は、東日本大震災と原発事故の被災地を励ますだけでなく今の時代に響くものがあるはず。没後80年の晩春の一日、同志社周辺を歩いてみた。
京都御苑の東側に残る洋風の新島旧邸。2階に広いバルコニーを巡らせたコロニアル様式のしゃれた外観で、中に入ると、応接間にはテーブルセットや寝椅子、書斎には洋書が詰まった壁一面の大書棚など、当時の家具がそのまま並ぶ。部屋の隅にあるオルガンは八重が愛用したものだ。
この家は結婚2年後の1878(明治11)年、新島襄自身がアメリカ人宣教師の助言をもとに設計したといわれ、10年間のアメリカ生活の体験も生かされている。台所は土間が一般的だった時代だが、流しやかまどは板敷きの上に置かれ、井戸も室内に取り込んで使いやすくしている。1階応接間の暖炉からダクトを配して2階の部屋も暖めるセントラルヒーティングが取り入れられ、トイレは板張りの腰掛け式。一方で間仕切りのふすまや箱階段など和風も取り入れている。
「八重さん」と呼ぶ夫に対し、妻は「襄」と呼び捨て。和服に帽子と靴という和洋折衷の姿にも英学校生たちは反発したようだが、八重は臆することなく自分のスタイルを貫く一方、学生を家に招いてごちそうするなど面倒見がよかったと伝えられる。
1890(明治23)年に襄が病死した後は赤十字活動に参加し、日清・日露の戦争の際は広島や大阪で篤志看護婦として働いた。かたわら茶道裏千家に入門。持ち前の負けん気で女性茶人の筆頭近くまで進み女学校の茶儀科開設に尽力。筒井紘一京都造形芸大教授は著書で、茶道が武家から女性中心に移った原点は八重と裏千家との出合いと指摘する。
新島旧邸から紫式部の邸宅跡といわれる廬山寺や清浄華院、本禅寺が並ぶ寺町通を30分ほど北へ歩けば同志社女子大と同志社大。女子大のジェームズ館で小冊子「新島八重の生涯」を見つけた。副題は「八重を学ぼう、八重に学ぼう」。冊子を執筆した吉海直人女子大教授は「常に堂々と発言した八重は時代を先取りした存在」という。女子大学生らが編集する学会報は「八重系女子」の言葉を広めようと特集を組み、食物研究会の学生は会津の柿と京都の寒梅をイメージしたクッキーを京都ブライトンホテルと共同開発(同ホテルで5月末まで発売中)。秋に福島で催される八重関連の展覧会に資料を提供するなど、同志社は東北、福島に人が訪れるよう支援する態勢だ。
大学北の相国寺も訪れた。6月4日まで春の特別拝観で、重要文化財・法堂では天井の狩野光信の蟠龍図と目が合う。境内の承天閣美術館では伊藤若冲の障壁画を展示。若冲が生前に建てた墓が、後の墓地整理で藤原定家、足利義政の墓と並んでいるのも面白い。(京)
◆メモ 新島旧邸は京阪神宮丸太町、地下鉄丸太町から10分余。7月末まで水・土・日(祝日除く)公開で無料。9月から来年末までは要事前申し込み。問い合わせは同志社社史資料センターTEL075・251・3042へ。
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フロンティアエイジ5月号 第2面より
元気のヒミツ 山本 浩之さん(50)
TV忘れ料理とギター
関西テレビ夕方の報道番組「スーパーニュース アンカー」でおなじみのメーンキャスター。2月から1カ月間、東日本大震災の被災地に入り現地から中継リポートを続けた。主役がスタジオを長期に離れることを局内で懸念する声があったものの、「時間をかけて被災地と向き合いたい」という強い希望で実現。一瞬にして日常の営みを失った被災者の話に耳を傾け続ける中で「はたして自分は、これまで生きることを実感しながら話してきただろうか」と考えさせられた1カ月間だったという。
堺市生まれで泉佐野市育ち。入社後、頭髪が気になりはじめ、29歳からはかつらを着けて番組に出ていた。しかし35歳の時「隠していたことがありました」と深夜の情報番組の中で告白し、かつらを外して話題になった。「かつらで髪コンプレックスから解放されたはずなのに、着けていることでの制約も感じ、いつかは取りたいと思っていた」と述懐する。スタジオ以外は社内でもラフなスタイルが多い。この日もジーンズ風パンツに七分袖シャツ姿で現れた。
「アンカー」のキャスターは今春から7年目に入った。夕方のこの時間帯、在阪各局とも報道番組に力を入れて競い合う。だが、他局をビデオに取って見ることはしないという。「知らない方が自信をもってやれる」と気にしない主義。休日は自宅にいても努めてテレビの前から離れる。
その代わり料理に時間を割き、家族の夕食をつくる。学生時代、京都のスペイン料理店でコックのアルバイトをして以来、料理歴は約30年。中学時代に始めたギターも弾き続けている。時にはバンド仲間とライブを開く。「料理もギターも、その時は無心になれます」。これが山本流リフレッシュ法だ。
定年まであと10年。「60を迎えた時、仕事も趣味もちゃんとした10年だったと振り返えられるようにありたい」。その気持ちは震災被災地取材を経てより強まったという。(安)
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フロンティアエイジ5月号 第1面より
関西の元気はお笑いから・・・ 「笑育」始動!
5周年迎えた演芸推進協
関西の演芸を育て、その良き鑑賞者を増やし、人を街を元気にしていこう―そんな趣旨で発足したNPO(特定非営利活動)法人「関西演芸推進協議会」が設立5周年を迎えた。これまでも様々なイベントで盛り上げてきたが、今年は小学生への「笑育(しょういく)」に取り組み、プロ、アマの枠を超えた「関西演芸しゃべくり話芸大賞」も創設して活動をパワーアップさせている。(ぶ)
しゃべくり大賞創設に200組応募 6月に本選
201205012
2月中旬、「笑育」の現場を見た。泉大津市立上條小学校のランチルーム。4年生の児童約110人が集まった前に飛び出してきたのは、短髪と長髪の若手漫才コンビ「こけらおとし」(坂元義晶・阪本勝紀=松竹芸能)だ。
まず坂元が「ボク、サカモトって言うんだけど、君たちはボクを何と呼んでくれる?」「さかちゃ〜ん」。続いて阪本が「ボクもサカモトだけど、ボクは?」。すかさず子どもたちから「縮れめ〜ん」。頭髪の特徴をつかんだ鋭いツッコミに笑いが弾け、両者の距離は一挙に縮まって笑いの応酬に発展。“実習”では子どもたちがコンビやグループ、あるいは一人で次々に登場し、みんなの前で即席のお笑いを披露した。
良好な人間関係を築くには、円滑なコミュニケーションが必要だ。世渡りに欠かせない知恵を、漫才のボケとツッコミを例に、子どもの頃から体得してもらおうと企画されたのが「笑育」。この日が第1回、いわばこけら落としだったが、上々の滑り出しに協議会の人たちは「大成功」。学年主任の藤谷考志先生(35)も「この体験を子どもたちは生かしてくれるでしょう」と話していた。
協議会の発起人は、全国にお好み焼きチェーンを展開する「千房」=大阪市浪速区=の中井政嗣社長(66)。7年前、関西演芸協会会長の桂福団治さんから、演芸の場を増やしてほしいと言われ、手弁当で支援することになった。食い倒れの街と言っても食だけでは保たない。お笑い文化とドッキングし、共存共栄してこそ街も栄えると賛同者を募り、07年4月に協議会を設立、同年秋にはNPO法人に認証された。会員は700人余りいる。
これまでに多彩なジャンルの芸人を集めた「笑らいぶ」や、商店街などに出かけて街の活性化にもつながる「出前寄席」などを開き、演芸を見る目を養うための勉強会や講演会なども開いてきた。
協議会の事務局長はホテルマネジャー20年余の石井サト子さん。「演芸を楽しむ機会が増えました。違う世界の人と接することで、ビジネスのヒントをもらったり、芸人さんから礼儀作法を学んだり、得ることが多い日々です」。事務局スタッフで社会保険労務士の鈴木彦文さん(39)は「芸は生(なま)で見るのが最高。そんな機会を作るお役目を与えられて、幸せです」と話す。
今年創設し、3月末で出場申し込みを締め切った「しゃべくり大賞」には76歳を筆頭にアマチュアを含む200組以上の応募があった。今月19日から予選が始まり、本選は6月16日14時から大丸心斎橋劇場で開かれる。大賞受賞者(1組)には、30万円とラジオ大阪出演の機会が待っている。
◇協議会会員になると定期例会に会員料金で予約でき、交流会に参加できるなど特典がある。個人は入会金2000円、年会費3000円。問い合わせは事務局(TEL06・6633・1430)。
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